研究基盤支援施設Bioscience Core Facility
質量分析受託解析について
質量分析受託解析についての要項と注意事項です。ご一読お願い致します。
質量分析(タンパク質同定)
質量分析計LC-MS/MS(Thermo Orbitrap QE plus)用いてタンパク質の同定を行います。
- 溶液中に含まれるタンパク質の同定
- ショットガンによる発現タンパク質の比較定量解析
- 切り出したゲルに含まれるタンパク質の同定
≪解析依頼からデータ送付の流れ≫
- 最初に分析内容等を、担当西内に〈tnish9@staff.kanazawa-u.ac.jp〉メールでご連絡ください。
- 受託解析されることが確定いたしましたらサンプル調整の注意事項を確認後
を必ずメールに添付してご依頼ください。
- メールにて受取り可能な日時をご連絡致します。
- サンプルの受け渡し日が決まりましたら、サンプルの入ったチューブを氷中または 保冷剤等で
冷却しご持参ください。
- 解析は、順次進めさせていただきますが、解析内容によりデータの送付まで約2~4週間ほど
お時間を頂いております。質量分析計が混み合っている場合やサンプル数により遅れることもございます。ご了承ください。
解析結果はメールでお送りします。
LC-MS/MS(Thermo Orbitrap QE plus)を用いた解析
溶液中に含まれるタンパク質の同定
- 免疫沈降等により調整した溶液に含まれるタンパク質を包括的に同定します。
- サンプル間の比較定量解析も可能です。
- 施設にてサンプル受領後、以下の処理・解析の結果、得られたデータを送付します。
- ・必要に応じて前処理(界面活性剤の除去等)
- ・還元アルキル化
- ・トリプシン消化
- ・ペプチド精製
- ・nanoLCによる分離
- ・Orbitrap QE plusによる分析
- ・Proteome Dicovererを用いて指定されたデータベースでタンパク質同定
ショットガンによる発現タンパク質の比較定量解析
- 細胞あるいは組織から調整されたタンパク質について、サンプル間で包括的な比較定量解析を行います。
- サンプルに依存しますが、10ug程度で数千種のタンパク質の比較定量解析が可能です。
- 翻訳後修飾(リン酸化、ユビキチン化等)についてはご相談ください。
- 施設にてサンプル受領後、以下の処理・解析の結果、得られたデータを送付します。
- ・必要に応じて前処理(界面活性剤の除去、主要タンパク質の除去等)
- ・還元アルキル化
- ・トリプシン消化
- ・ペプチド分画(必要に応じて)
- ・ペプチド精製
- ・nanoLCによる分離
- ・Orbitrap QE plusによる分析
- ・Proteome Dicovererを用いて指定されたデータベースでタンパク質同定・ラベルフリー定量による比較解析
【注】:溶液調整の注意事項
- 質量分析によるタンパク質同定の際、ケラチン等のコンタミネーションが問題になります。
- サンプル調製の際は必ず手袋を着用し、チップ,チューブ等も素手で触らないようにご注意ください。
- ※溶液の組成とタンパク質濃度は必ずご教示ください。
- ・界面活性剤の除去をお願いします。
- サンプルに界面活性剤が含まれていると、分析結果に影響するだけでなく、LC-MSのシステムにも
- 影響しますので界面活性剤の除去処理をお願いします。
- 依頼者自身で前処理が難しい場合、施設にて主要な界面活性剤の除去処理を行っております。
- Detergent処理 2,200円/サンプル
- ・アセトン沈殿等によるタンパク質精製をお願いすることがあります。
- ・サンプル調製の際はケラチン等の混入を防ぐため必ず手袋を着用して下さい。
- ・チューブにサンプルNo.やサンプル名を記入お願いします。(受託シートとリンクしたもの)
- ・4℃保存
タンパク質同定依頼の解析依頼シート(溶液用)に下記の情報を記入してください。
下記の情報がない場合は処理ができませんので、解析依頼シートは必ずご提出ください。
- ※解析依頼シート(溶液用) 記入項目
- ・溶媒の組成
- ・タンパク質の量(あるいは濃度)
- ・生物種名(学名)
切り出したゲルに含まれるタンパク質の同定
- ゲルに含まれるタンパク質を同定します。
- 質量分析によるタンパク質同定の際、ケラチン等のコンタミネーションが問題になります。
- サンプル調製の際は必ず手袋を着用し、チップ,チューブ,染色用のコンテナ等も素手で触らないようにご注意ください。
【注】:ゲルからバンドを切り出す際の注意事項
- ゲルからバンドを切り出す際にコンタミネーションが非常に起こりやすいのでご注意ください。
- ゲルをクリーンなOHPシート等に置き、目的のバンドの中心部分をきれいなカミソリやメスの刃を用いて切り抜いて下さい。
- ※余分なゲルがあると検出感度が低下しますのでご注意ください。
- ゲル片を1.5 mlチューブ内で、きれいなメス等でサイコロ状に切り刻んで下さい。
- ※ゲルは1mm四方角の大きさで、1つのチューブに5個まで。
- 複数のバンドを切り出す時は、濾過した脱イオン水等(チリなどの混入に注意)でメス刃を2度洗いしてから次のバンドを切り出して下さい。
- チューブにサンプルNo.やサンプル名を記入お願いします。(受託シートとリンクしたもの)
- チューブにはバッファーや水などは入れずゲル片だけにしてください。
- 4℃保存
◎銀染色について
- MS解析を行う場合には、グルタルアルデヒドを使用していていない銀染色試薬でお願い致します。
- 当施設で使用している銀染色試薬は、Wako Silver Stain MS Kit #299-58901 です。
- タンパク質同定の解析依頼シート(ゲル用)に下記の情報を記入してください。
- 下記の情報がない場合は処理ができませんので、解析依頼シートは必ずご提出ください。
- 解析依頼シート(ゲル用)記入項目
- 切り出したバンドの分子量(KDa)
- バンド中のタンパク質の推定量(ng)
- タンパク質の量
- 生物種名(学名)
- 電気泳動したゲルを染色した写真
- 担当:西内巧(学外及び新規利用者の問い合わせ・データ解析・学術的な相談)
- tnish9@staff.kanazawa-u.ac.jp(内線 2772)
- 富樫真紀(サンプルの受け渡しのみ)
- makura@staff.kanazawa-u.ac.jp(内線 2776)