疾患オミクス分野Division of Integrated Omics Research
スタッフ
目的と研究課題
疾患オミクス分野では、質量分析装置,マイクロアレイ機器,DNAシークエンサーなどの高度な最先端機器が備えられており,ゲノム解析・タンパク質解析を通じて,ヒトが一生涯に罹患しうる様々な疾患の発症機序の解明に取り組んでいます。また,昨今,技術進展の著しいゲノム編集技術を利用した新しい動植物の開発にも取り組んでおり,国内外の研究者との共同研究を通じて,医学・生命科学分野におけるにおける新規疾病治療法の開発や理学・農学分野における農林水産物の社会実装の実現に向けた取り組みを行っております。
多様な試料を用いた高深度プロテオーム解析(西内研究室)
動植物組織、病原菌の分泌タンパク質、病理切片等の臨床検体、考古学試料等の多様な試料を用いて、高感度なプロテオミクスの実験系を構築し、翻訳後修飾も含めて、対象となる生命現象に関わるタンパク質の探索・同定を行っています。
ムギ類における病原菌由来のマイコトキシンの低減化技術の開発(西内研究室)
ムギ類赤かび病菌はマイコトキシンを産生するため、感染したムギ由来の食品は人畜に食中毒を引き起こします。このマイコトキシンを低減化するため、ゲノム編集技術を用いた赤かび病抵抗性コムギの作出、また天然物を用いた防除技術の開発を進めています。
染色体ペアリングによる遺伝子発現制御
〜15q重複症候群モデル細胞を用いた研究〜(堀家研究室)
ダウン症をはじめ,13トリソミー,18トリソミー,ターナー症候群など染色体の数の異常による症候群の多くは,その染色体が異なるにも関わらず精神発達遅滞を呈する。また,近年のゲノム解析技術の進歩に伴い,神経発達障害患者において多数のゲノムコピー数の異常が同定されている。これらのことは,遺伝子の核内配置や高次クロマチン構造が調和の取れた健やかな脳の発達に重要であることを示唆している。そこで我々は,人工的に15q重複モデル細胞を樹立することで,遺伝子の核内配置や高次クロマチン構造などエピジェネティクスによるグローバルな遺伝子発現制御の破綻が自閉症の発症にどの様に関与しているのかについて解析を行っています。